嘉陽層の褶曲 攻略ガイド

大地は柔らかい?びっくりするほどクネクネの地層を歩く

崖いっぱいに広がる大規模な褶曲、大地の営みのダイナミズムに圧倒されます。そう簡単には辿り着けない場所なだけに、踏破した時の満足感もひとしお。道なき道を行く冒険者は「自己責任で安全確保」が鉄則です。くれぐれもご安全に〜!

 

<嘉陽層の褶曲の基礎知識> 

理科の教科書に載っていた地層の絵は水平に積み重なっていましたが、大地の変動が活発な日本列島では、斜めに傾いたり折れ曲がっている(褶曲)方がむしろ一般的だそうです。しかし、それがここまで曲がり、折り畳まれ、横倒しになり、大規模に広がっているのは珍しく、2012年に国の天然記念物に指定されました。

嘉陽層という地層は、今から5400万年〜3700万年前(日本列島がアジア大陸の東端にくっついていた時代)に2000メートルを超える深海底に堆積した地層です。日本列島は2つの大陸プレートと2つの海洋プレートの上に乗っています。今から2000万年程前に大陸プレートの下に海洋プレートが沈み込み、日本列島は大陸から切り離されました。沖縄本島の北半分はこうして今の場所にやってきました。そしてそこで大陸からの砂泥や珊瑚礁の残骸が堆積し、隆起してできたのが沖縄本島の南半分です。堆積した年代はおよそ150万年〜70万前と、北半分と比べると大分新しいものであることが分かります。いやー、この段階ですでに頭がクラクラしてきました。

 

<バン崎の褶曲への行き方>

嘉陽層の褶曲が最もダイナミックに展開しているのが、天仁屋のバン崎と呼ばれる岬です。天仁屋川河口(天仁屋ビーチ)に車を止め海岸線沿いを南に歩くのですが、最も大事なのはアタックを開始するタイミングです。

 

大潮の日の干潮1時間前を目安に出発しましょう。

 

この時点で、すでにハードルが高くなりますが、これは安全に行って帰ってくるための必須条件と心得てください。潮が引いたゴロタ石の上を片道1時間往復2時間歩きます。ぼやぼやしていると、帰り道が潮に飲み込まれてしまいますから、時間管理はしっかりしましょう。

 

 

<バン崎に向かうための装備>

1)スニーカーまたは山靴

2)マリンシューズ

3)山歩き用のストック

4)濡れても良い短パン

5)帽子

6)水

 

ゴロタ石や横臥褶曲の上をバランスをとりながら進むのは、かなり大変で足が疲れました。歩き慣れたスニーカーや山靴をお勧めします。大潮の干潮時であれば、それほど濡れません。我々は途中二か所潮溜まりを越えなければなりませんでしたが、そこもなんとか濡れずに進めました。同じ時間に歩いていた別のパーティーは諦めてじゃぶじゃぶ水に入っていきました。そんな時のためにマリンシューズを持っていくとなお良いといった感じでしょうか。最初からマリンシューズで歩くのはお勧めしません。ゴロタ石2時間を舐めてもらっちゃ困ります。山歩き用のストックがあると便利です。これがあるかないかで疲れ方が数倍違うはず。濡れても良い短パンや帽子も忘れずに。そびえ立つ大褶曲以外、日陰など一切ありませんから。季節にもよりますが、水は一人500ml以上は持っていった方が良いです。

 

<天仁屋の褶曲の楽しみ方>

車を止めて天仁屋川を渡り、目指すはバン崎!スタート地点はこんな感じ。写真右側の小さな島あたりがバン崎です。ここは松山ケンイチさん主演の「カムイ外伝」のロケ地でもあります。ここでの共演がきっかけで奥様小雪さんを射止められたとか。個人的に好きな男優さんでもあるので、勝手に聖地認定いたします。

足元はこのようなゴロタ浜。嘉陽層の断崖から崩れ落ち、波に洗われて丸く削られ、縞模様がくっきりと浮かび上がる様に、ちょっとした小宇宙を感じてしまう。

あとはおよそ1.5キロに及ぶ大自然の芸術=そびえ立つ大褶曲を楽しむのみ。一体どのような順番で、本来水平なはずの地層が曲がり、水平だった層が垂直にそそり立ったのか、私には想像ができません。激しく折れ曲がる様はUだ、Sだ、Zだ、Mだとアルファベット文字のよう。巨大な横臥褶曲の上を歩くと、自分がボーリングの球になった気分を味わえます。

潮溜まりで海の生き物を観察するのも楽しい。大地の営みのダイナミズムを前に、「大地よ、いでよー」などと言って遊んでおりました。

 


<嘉陽層の褶曲を見る別の方法>

足元が悪い場所を往復2時間も歩けない、大潮の日の干潮時間にどうしても出発できないという方は、国道331号線からちょっと入った場所でも嘉陽層の褶曲を見ることができます。こちらも国の天然記念物に指定されているので、車両侵入禁止ですが、100m程歩けばこの景色です。

 

足には自信がないが、腕には自信があるという方は、わんさか大浦パークでカヤック体験「嘉陽層のジオツアー」をやっています。

それぞれの条件や目的にあった方法で楽しんでください。どうぞご安全に〜。